ソニー、電機部門を本体から切り離し子会社化の記事ページです。
リストラ発表が毎年の恒例行事のようになっているソニーですが、リストラ発表以外にも何かしら大きなニュースを今年前半には提供してくれるだろうと予想はしていましたが・・・。
というわけで、ソニー関連で、大きなニュースが発表されました。
電機部門の各事業部が子会社化されるそうです。
ソニーは18日、オーディオ、カメラ、半導体などの電機部門を本体から分離し、事業ごとに子会社化すると発表した。事業ごとの経営判断を早め、ほかの会社との提携などを進めやすくするねらいだ。
2015年度から3年間の中期経営計画に盛り込んだ。携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」などをつくるオーディオ・ビデオ事業を10月に子会社化する。その後、カメラや半導体なども子会社化していく。ソニーは昨年7月にテレビ事業を子会社にしており、主な事業のほとんどを本社から切り離すことになる。
本社は新規事業などを手がけるほか、人事や総務のような管理機能が中心になる。平井一夫社長は記者会見で「厳しい競争環境のなかで、本社に頼らず自分たちで考えて責任を持って運営することでより強くなる」と話した。
とのことです。
というニュースは記憶に新しいかと思います。
そして、そんなもので終わるわけもなく、次は一体何がくるのかな?状態であったわけですが、電機関連すべて子会社化ときました。
少し詳しい方ですと、かつてソニーは事業部ごとにカンパニー制を取っていたことをご存知でしょう。
カンパニー制をとっていたときの弊害として、蛸壺のような縦割り組織が出来上がり、
といった問題を指摘されていた過去があります。
そうした中、ハワード・ストリンガー氏が社長に就任した際には、「サイロをぶっ壊す」という標語の下、縦割り組織の解体、横串での連携強化、プラットフォームの共通化を掲げ、開発効率を高めていくと言っていたのが数年前だったと記憶しています。
あれ?
また事業部ごとに子会社化?
なんか同じことを繰り返していませんか?
・・・と、外野の人間には思えますがいかがなのでしょうか。
それとも、近い将来での売却を見据えての施策でしょうか・・・。
ソニーという会社は非常にネームバリューが高い会社ですので、やはり他の会社と比べてみても良くも悪くも一挙手一投足が注目されがちです。
日経平均がモリモリと上がっている中、直近ではマネーゲームの対象になっているのかソニーの株価も絶好調です。ですが、業績自体はあいかわらず巨額損失を出す事業があったりと微妙です。
2月時点での連結業績見通しは1,700億の赤字だそうです。
そろそろ経営責任も追及されそうですね。
これまではテレビ事業があり得ないほどの損失を出し続けていましたが、今期は3本の柱と銘打っていたモバイル事業でやってしまっています。投資面では短期・中期にかけては美味しい局面が何度もありそうですが、長期ではどうなんでしょうかね・・・。投資対象にするならばよ~く考えた上での自己責任で、、、。
今回のソニーのように電機事業すべて子会社化といような、大きな人事や組織改革、プロジェクトがポシャるときの発表って、学生の方には意外かもしれませんが、たとえ従業員であったとしても当日のプレスリリースで初めて知ったりします。(社内では噂として流れることも多いですが、あくまでソース不明の噂レベルです。)
事前に知らされていたとしてもプレスリリースの直前であったりするので、電機事業関連に従事していたソニー社員の方はまさに寝耳に水で、しばらくは「やってらんね~」「これからどうなるの?」という不満や不安に揺れ、モチベーションが下がってしまっていることは想像に難くありません。
従業員目線でいうと、仕事内容よりも、
というのがほとんどの方の最も高い関心・不安ごとでしょう。ようは、現状以上のステータスや、生活レベルが維持できるのか、保障されるのかということです。
ここで、なかなか報われないケースを考えてみます。
これ、3つ目の条件以外は、30前後の大企業社員には珍しくもなんともないケースです。
このようなケースで転職を考えてみても、元々が大企業社員というアッパーな恵まれている環境ですので、同程度な待遇か、より高待遇な環境を求めるには、能力も経験も不足していることからなかなか難しいものがあると思われます。
高待遇な転職が難しいとなると・・・
すでにローンやら家族を養っていくための経済的負担でがんじがらめになってしまっていますので、今の会社にしがみついて収入を得続けなければ生活を維持できなくなります(投資・独立・起業するなどといった選択肢もありますが、一般的ではないのでここでは考えません)。
すると、会社都合での、望まない形での異動や転勤、出向、転籍になったりと、もはや会社の命ずるがままの辞令を受け入れるしかなくなるわけです。
そうなるとどうなってしまうのか?
出世チャンスも少なく、マネジメントの実務経験もほとんどないまま年齢は上がる一方で、一貫した特技となるような需要のある能力も身に付けにくいため、さらに転職で不利なキャリア形成になっていきます。
すると、以前はすこし待遇を落としさえすれば相手をしてくれていただろう転職候補先からもお声はかからなくなり、ますます今の会社にしがみつかざるを得なくなります。
あとは悪循環なスパイラルに陥り、いずれ肩叩きが・・・。
これが、会社にしがみつかざるを得ない、業績ピンチ・不況時の逃げられない社員の1ケースです。
このような逃げたくても逃げられないような状況にならないためにも、入社後は、会社組織の役割を理解し、自身のキャリア形成で有利なパスをよく観察し行動することが大切です。
などを、入社後から気を付けて過ごしたほうがいいでしょう。
これは、社内で生き残る際にも重要なことですが、社外へ逃げたいタイミングで抜け出すときにも大切になってきますので、ただ漫然と会社や上司から言われたことをやっているだけというキャリア形成の仕方は避けた方がいいと思います。
では、どんな方たちが、さっくりと社外へ逃げ出せるのでしょうか?
特に親しいというわけではありませんがソニーの知り合いの部長さんやら、お見かけしたことだけはあるいわゆる偉い方の何人かは、1,2年前から他社に転職されていました。
平社員ではなかなか知ることのできないような内部情報を把握できるような立場の方たちだと思われますので、事前に危機を察知していたのか、それとも単純にポストが縮小されたり、役職定年という大義名分のもと居場所がなくなり追い出されるような形であったのかまでは分かりませんけどね・・・。
また、いわゆる仕事のできる人たちということでいえば、ソフトウェアエンジニアとして非常に優秀で、ソニー社内でもキーパーソンでもあった方たちの何人かとは縁あって個人的に親しくさせてもらっていますが、やはり1~2年ほど前にだいぶ転職されていました。年齢でいうと35歳未満の方たちでしたので、技術力が高い方は35歳あたりまでは余裕で転職できそうです。
パッと思い出すだけでも、グリーやDeNA、任天堂、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、HULU、Webサービス系のベンチャーあたりへ転職されていきました。
なかでも、一時、大量の中途採用募集があったからなのか、絶好調であったグリーへ行く方がやたら多かったですが、グリーも業績的に今はだいぶやっちゃっている感じですので、すでにまた他社へ転職されている方も多いです。
先に挙げた管理職や役員の方のような転職は、ずっと先の話ですし、そもそも管理職になれるかすら分からないことなので、このケースはあまり現実味がありませんのでおいておきます。
ここで言いたいことは、需要があり対外的に示せる技術力や能力を磨き実績を作っておくと、私の周りだけの小さな話ではありますが、35歳あたりまではちゃんと超高待遇(ほとんどの方は余裕で年収1000万越えです、2000万に届きそうな方もいました)な企業へ逃げるという選択肢も視野に入れることができるということです。
今回のソニーのような事態に陥ったとき、
あなたはより高待遇を求めて社外へ逃げられますか?
それとも、
下がっていく待遇を受け入れ会社へしがみ付くしかありませんか?
こういった選択肢を迫られることが、入社後10年内に平気で起こってもおかしくないのですから、大企業に入ったあとも、サラリーマンとして生きるならば、キャリア形成をよく考えておくことは本当に重要なことだと思います。(サラリーマン以外の生き方ではまた違った考えを持っていますが、それは別の機会にでも書いてみようと思います。)
というようなことを、「ソニー、電機事業をすべて子会社化」というニュースをみてぼんやりと思いました。
以上、雑記でした。
長文読んでくださりありがとうございます。
いろいろツッコみどころ、反論等あるかとは思いますが、会社と自身のキャリアの向き合い方という点で、多少なりとみなさまが改めて考えてみるキッカケや材料になっていれば幸いです。
ではでは。
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